多言語化サイトの依頼が来た時翻訳どうする?

         

Web制作

多言語化サイトの依頼が来た時翻訳どうする?

2020年02月19日 18:39 2020年02月22日

多言語化サイトの依頼が来た時翻訳どうする?

今後ますますニーズが高まる

多言語サイト制作時に避けては通れない翻訳について

翻訳会社に在籍した経験を持ち

WEB制作会社で幅広いサイトをフロントで対応する私が

翻訳の分からない事や、注意点について解説いたします。

 

何故「多言語サイト」のニーズが高まっているか

ご存じの通り、日本は少子高齢化の影響で労働力を外国籍の方に頼らざるを得ない状況です。

コンビニや飲食店などで働く外国籍の方も多く見受けられます。

加えて

日本政府は2003年に「ビジット・ジャパン事業」を開始し

観光立国を目指す日本は毎年右肩上がりで訪日外国人の数を増やしてきました。

 

2019年版直近10年間の訪日外国人数の推移
2019年版直近10年間の訪日外国人数の推移

最新となる

2019年の訪日外国人は

3188万人

日本の人口が1億2600万(令和2年1月時点)

と発表されており

2019年、日本の地では

5人に1人は外国人が歩いていた

ことになります。

※ちなみに15歳未満の日本人は1560万人となっています。

 

主要な翻訳言語

英語・簡体字・繁体字・韓国語

繁体字は

台湾・香港・マカオなどで使われている言語で

簡体字は

中国本土やシンガポールで主に使われています。

ここ最近韓国語のニーズが減っており

タイやシンガポール、マレーシアなどの訪日外国人も増えていますが

基本的に英語が通じることも多いと言われており

上記の4言語が多言語サイトの主流言語となっています。

ターゲットやニーズによっては

ロシア語、ポルトガル語、フランス語など多言語対応されているサイトも見受けられます。

ただし重要なことは

サイトを作る時と同じで

「誰に見てもらいたいのか」

マーケティングが一番重要だと言えます。

 

誰に翻訳を依頼するのか

ここで私が経験した翻訳体験談をお話しします。

ある、有名な伝統工芸の多言語サイトのご依頼を頂きました。

内容は

既に、多言語対応されているサイトに対し

新たにコンテンツを追加する

年表が更新されたので、更新箇所の翻訳というご依頼です。

早速、翻訳会社に依頼をかけたら

 

「誤訳が見つかった、ただし厳密には誤訳ではない」

 

の連絡を受けました。

誤訳だけれども誤訳ではない。。。

結論から言えば

イギリス英語で翻訳されていた

という訳です。

英語はそもそもイギリス発祥なので、間違いではないんですが。

その誤訳について解説します。

 

アクセスページで交通手段を親切丁寧に記載したページで

地下鉄の翻訳を

「underground」

と表記されてたようで

一般的には

「subway」

が正しいのですが、すでに「underground」で公開されて久しく経っているようで

誰もその違和感に気が付かなかったようです。

で、この「underground」が誤訳ではない点ですが

イギリスでの地下鉄の表記が「underground」にあたりますので

正しくは誤訳ではない、ということになります。

この点をやんわりと指摘すると

クライアント側で

日本語が堪能なイギリス人が友達にいるので

その人に翻訳を依頼した

ということでした。

ここで問題に挙げられる点は

 

■プロの翻訳者に依頼していなかった

■翻訳者一人に一任し、チェック体制がなかった

 

海外からの評価も高く、日本を代表する伝統工芸のサイトが

グローバルスタンダードではない英語で表記されていたので

イギリス以外の英語圏の方が見たら、違和感を感じられたことでしょう。

 

ネイティブチェックとダブルチェックは必須

ネイティブチェックとは

辞書に載ってる言葉だけでなく

実際に、現地でリアルタイムで使われている言葉で翻訳を行う

 

ダブルチェックとは

そのままですが一人に任せるのではなく、もう一人翻訳者にチェック、校正させます。

上記2点を疎かにすると、誰も正しい言葉になっているのか分からない言葉が

公式としてリリースされてしまいます。

 

翻訳の注意点

英語が喋られるから、中国語が分かるから、などなど

それだけの情報でその人に翻訳を依頼するのではなく

翻訳のプロに頼むことを強く推奨します。

おまけに

話すのと書くのは一緒のようで一緒ではありません。

外国語が喋られる

外国語が読める、書ける

通訳が出来る

翻訳が出来る

同じようで決して同じではありません。

どれぐらい違うかを例えると

 

JavaとJavaScriptぐらい違います。

 

それと

いくら精度が上がったとはいえ

 

自動翻訳だけはやめたほうがよい!!

(注:2020年2月時点)

 

です。

技術の進歩は凄まじく速いので近い将来自動翻訳の方が優れている

っと、なるかもしれませんが。

現時点では危険です

なぜなら安心を担保できません。

ご自身で翻訳の校正が出来るのなら良いかもしれませんが。。。

誤訳や、言い回しが変な翻訳を行った場合

間違った情報を世界に発信しているようなものですし

契約書の文面が子供が使うような言葉で書かれているとしたら

契約をためらいますよね。

言葉って凄く大切です。

 

多言語サイト まとめ

多言語サイトのニーズは高まる
必要な翻訳言語を見極める
翻訳はプロに頼む

以上の点を基本として

多言語サイトの提案を行ったり

依頼があった際にも慌てず対応できるよう

準備を整えておきましょう。

 

雑記

実は翻訳には一部、国が定めるルールがあります。

おもしろい翻訳は

琵琶湖 = Lake Biwa

芦ノ湖 = Lake Ashinoko

琵琶湖には”ko”が無くて

芦ノ湖には”ko”がある。

山梨県にある南アルプス市 = Minami Alps City

“Alps”と言う本家本元の単語を持ってくる発想になりません。

普通名詞部分を含む固有名詞

という少々ややこしい説明ですが

国土交通省、観光庁からガイドラインが出ていますので

興味がある方、ご覧ください。

 

観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン

 

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この記事を書いた人

アットリーニ

「WEBサイトは点にも線にもなる」と考え、温故知新の考えと既成概念に捉われず、手段と方法を選ばないブランディングと売上げを上げることを楽しく考えることが好きでペンギンの飼育を経験したことがあり、あらゆる業種の人と同じ言語で会話が出来るマルチリンガルな2児の父でサッカーが好きで最近登山に憧れを抱くWEBアカウントマネージャーです